My Journey: Inde-3
 

 今回の旅の目玉のひとつは、本場のアーユルヴェーダを体験するということでした。
 肩こりのひどい私は、マッサージが大好きで、ふだんでも「指圧」とか「10分1000円」とかの看板を見つけると、ついふらふらと入ってしまいます。海外でも、これまでに、香港の足で踏むのとか、台湾のぷるぷるするのとか、タイのバキバキするのとか、けっこういろいろと体験してきました。
 ケーララは、アーユルヴェーダがとても盛んなところで、小さな村村にも診療所があります。中には、90歳の長老が、現役でアーユルヴェーダを行っているところも! そこに来る人たちは、みな異口同音に「西洋医学の病院より、ずっと安いし、自然のものしか使わないから安全だ」と言っていました。
 日本でアーユルヴェーダと言うと、エステのイメージがありますが、インドでは、5000年の歴史を持つ伝承医学という位置づけです。私が滞在していたソマテラムというホテルは「アーユルヴエディック・ビーチ・リゾート」つまり、アーユルヴェーダを受けながら滞在するリゾートホテルです。素晴らしいビーチに面した小高い丘に、ぽつんぽつんとコテージが建っていて(これが客室)、ここでのんびりしているだけでも健やかになれそうな雰囲気のところでした。
 コテージの一つがアーユルヴェーダセンターとなっていて、大学で専門に学んだ先生の指導のもと、それぞれの体質にあったハーブオイルでのマッサージや食事を作ってくれます。最初に50もの質問の書かれた問診表に記入するのですが、なかには「夢をどれぐらい覚えているか」とか「セックスライフは激しいか」とか(さすがインド?)、日本の病院じゃ聞かれないようなものもあり、びっくりしました。
 それから先生が、指で三箇所をおさえて脈をはかります。これが非常に重要で、ピッタ、ヴァータ、カパという、三種類の体をつかさどるもののバランスをみるのだそうです。どれかが強すぎても、どれかが弱くてもダメで、そのバランスが崩れると人間は病気になるというのがアーユルヴェーダの考えかたです。私はカッパが弱い、ピッタ・ヴァータ体質と診断されました。
 さて、お楽しみのマッサージですが、私の体質にあわせて調合されたオイルをたっぷり使い、なんと二人がかりで全身をもみほぐしてくれます。天井からぶらさがった紐につかまりながら、足でぐいぐい踏むのが、特に気持ちいい! ちなみにマッサージをしてくれる女性二人はサリー姿ですが、こちらは全裸。背中を踏まれるときはいいけど、体の表側(?)のときは、さすがに緊張しました。でも彼女たちにとっては日常のことなので、おなかを踏みつけながら「あなたのマニキュアの色、きれいね」なんて世間話をしてくるのでした。
 全身マッサージの他にも、額にオイルをたらしつづけるシロダーラというのや(これは眠ってしまいます!)、小麦粉をねってつくったリングを背中にのせ、そこに熱いオイルを注ぐのやら、ハーブを布でくるみ、そこに熱々のオイルをしませて肩をぽんぽん叩くのやら(これも気持ちいい)、頭の上に筒状の帽子のようなものをのせ、そこにオイルをたっぷり注ぐというのやら、もういろいろ試してみました。どれもハーブオイルをたっぷり使うので、終わると全身がぎとぎとになりますが、ガウンを着せてもらって自分のコテージまでとことこ歩き、シャワーで流せばいいのでラクチンです。滞在型の醍醐味ですね。
 こうして書いていると、思い出しただけで目がとろーんとしそうなくらい、どれも気持ちのいいものでした。値段も、日本のマッサージにくらべたらずっと安くて、小麦粉リングが一時間15ドル、筒状帽子が一時間18ドル、一番高い二人がかりの全身でも90分45ドルです。しかも二週間まとめて申し込むと、585ドルとお得になったりします。ちなみにビューティケアなどのコースも用意されていて、十日で595ドルぐらいでした。
 このホテルのラーマン医師は、代々アーユルヴェーダの医師という家系だそうで、先祖から伝わるハーブの他に、自分でもいろいろハーブを育てて、研究しておられます。自家製のハーブを、オイルやミルクやバターなどで三日三晩煮だして作るハーブオイル。その現場も案内してもらいました。すごい手間隙で、このオイルでマッサージされていたのかと、あらためて贅沢さを感じた次第です。(第4回へ
 
       
  宿泊していたソマテラムのコテージの屋根。赤い瓦がケーララ風。 アーユルヴェーダの道具。上に置かれているガーゼの中はハーブがぎっしり。リング状のものは背中に載せて、オイルを注ぎます。 

ラーマン医師。「夢をどれぐらい覚えていますか?」「セックスライフは激しいですか?」

 
治療に使うハーブの数々。
   
      ハーブ・オイル製造中。  
       
  村の診療所の診察・治療室です。 村の診療所で胸の打撲の治療を受けている漁師さん。 90歳、現役の先生です。  
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