「万智の交遊録」第17回は、カメラマンの平地勲さんです。
平地さんとは、「週刊朝日」連載中の「ちいさい旅みーつけた」で、ご一緒しています。同じ場所へ行き、同じ時間を過ごすのに、平地さんが撮る写真と、私が作る短歌と文章とは、微妙に離れていたりして、そこが刺激的な仕事です。
考えてみると、知り合ってから1年半ほどなのですが、旅というのはとても濃いコミュニケーションなので、もう十年来のおつきあいのような気がします。
北は北海道から、南は沖縄まで、まさに全国津々浦々を歩いているのですが、平地さんは常に「都会のシルエット」です。田舎へ行けば行くほど「あ、この人はよそもんだ」とすぐにわかります。なんというか、肩の線から足の形(見たのか?)まで、そして人生の経歴、すべてが都会です。よく「あー、田舎は飽きた。都会のネオンが恋しい」と言う人がいますが、平地さんほどこのセリフが似合う人もいません。こう書くと、キザなシティボーイのようですが、そうではなく、つまり、田舎にふるさとを持つ人が「都会は刺激があって楽しいけれど、やっぱり田舎のほうが落ちつくなあ」という感覚なのです。「田舎は刺激があって楽しいけれど、やっぱり都会のほうが落ちつくなあ」なのです。
それもそのはず、彼はネオンきらめく赤坂で、三味線の音を子守歌がわりに育ち、以来ずーっと住まいはその近辺。事務所だって、泣く子もだまる南青山です。ごはんなんか、毎日麻布十番で食べているんじゃないでしょうか。(うらやましい)。夜なんか、毎日六本木で飲んでいるんじゃないでしょうか。(これは事実)。
「ちい旅」の、ドキュメンタリータッチの迫力ある写真を見慣れている人には、意外なことかもしれませんが、平地さんはヌードの巨匠でもあります。週刊プレイボーイとか週刊現代とか週刊ポストとかのグラビアで、大活躍中です。女優さんから素人まで、ほんとに女の人をキレイに(でも人形みたいじゃなく、生々しさが匂いたつ感じに)撮られます。作家にも、純文学とエンターテインメントの両方を手がける人がいますが、平地さんはそういうタイプの写真家なのかもしれません。
先週は、ハワイでナントカ真珠ちゃんと、中山エミリちゃんを撮ったそうです。これから出る週刊プレイボーイのグラビアに、ご注目ください。
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