「万智の交遊録」第21回は、鷺沢萠さんです。

右が鷺沢さん、真ん中は群ようこさん
文学界新人賞を受賞した「川べりの道」に感動し、心惹かれたのが、鷺沢さんの名前を記憶したはじめでした。出会いは、思いがけないところにあるもので、それから数年後、第三舞台のお芝居を見にいったおり、鴻上尚史さん(第13回交遊録登場)が「ビールでも飲もう」と、その日楽屋に来ていた人たちを誘ってくれました。たまたま鷺沢さんも私も、そこに居合わせたのです。
とても美しい人ですが(ですが、というのも変かな?)、全然きどっていなくて豪快な姐御です。実年齢は私のほうが上なのですが、にもかかわらず、彼女といると、「姐御」という言葉がいつも思い浮かんでしまいます。
じっくりお話したのは、ワンコリアフェスティバルという催しの一環として、座談会に出席したときでした。女優の金久美子さん、鷺沢萠さん、そして私という顔ぶれです。そのときのことは、エッセイ集『ひまわりの日々』(ベネッセ刊)に詳しく書きましたが、なぜ私がよばれたかというと、主催者がたまたま、私が鷺沢さんの本の書評を新聞に書いているのを見たから、でした。金さんは韓国人で、鷺沢さんはクォーターで、私としては場違いかな、とも思ったのですが、「こういう問題は、韓国人だけが集まって話してもダメなんです」という主催のかたの言葉に動かされて出席しました。鷺沢さんの韓国留学の話を、本で読んで、興味を持ったのも、きっかけだったかもしれません。
写真は、共通の友人の松本侑子さん(第8回交遊録登場)の結婚式に、出席したおりのものです。「ドレスコードは派手」というパーティで、「みんなの箪笥に眠っている、旅行先で買ったまま一度も着ていない民族衣装とか、そういうのを着てきてね」という侑子さんの言葉にしたがい、鷺沢さんは、韓国のチマチョゴリ、私はベトナムのアオザイ
を着ていきました。鷺沢さんは、たまにチマチョゴリを着るそうですが(髪は必ず写真のようにするのが鉄則だそうです)、私などは、ベトナムで買ったきりになっていたので、日の目を見たアオザイも喜んでいるようでした。
一緒に出席した作家の群ようこさんは豪華な和服で、三人並んで「アジアの民族衣装娘」となり、とてもウケました。
このパーティのあとも、あーだこーだと、いろいろおしゃべりして盛り上がり、三人の
乙女は別れたのでした。
第20回 丸谷才一さんへ
第19回 北杜夫さんへ
第18回 星野富弘さんへ
第17回 平地勲さんへ
第16回 南こうせつさんへ
第15回 岩城宏之さんへ
第14回 野田秀樹さんへ
第13回 鴻上尚史さんへ
第12回 吉永小百合さんへ
第11回 森啓次郎さんへ