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「万智の交遊録」第22回は、林真理子さんです。



いつも気配りを忘れない林真理子さん

林真理子さんのこと

 かねてより作品を愛読している人にお会いするのは、とてもドキドキするし、勇気のいることです。林さんの、痛快で辛辣で、それでいて普通の女の子の視線が生きているエッセイのファンだった私。もし「対談」というような、あらたまった出会いかただったら、今のように親しくなれなかったかも、と時々思います。初めて会ったその日、話せば長い事情があったにせよ、私たちはディズニーランドに行ったのです。それも、ほとんどハプニングとして。話せば長い事情を、かいつまんで言いますと、その日は朝日新聞の書評委員会の日でした。それまで二年委員をつとめてきて三年目になる私は、今年から林真理子さんが加わると聞いて、ほんとうにわくわくしていました。そんな顔合
わせの一回目の書評委員会の夜は、ディズニーランドの新しいパレードのお披露目の日でもありました。招待状がきたものの、書評委員会のため泣く泣く欠席の返事を出したのですが、なんと林さんは、この委員会のあとに遅刻してでも出かけるというのです。
「えーっ、私も行きたい!」──というようなことで、実は二人で委員会を早退して千葉へ向かったのでした。
 それからもう六年あまり。すっかり林さんになついてしまった私は、いろいろとおいしょものをご馳走になったりして、楽しくお付き合いさせていただいています。対談のゲストとして二回お話ししたほかは、すべてプライベートでごはんです。「万智ちゃんって、おいしいものの誘いは、絶対断らないわよねえ」というのが彼女の口癖。ハイ、私、おいしいもののあるところ、万難を排して参上します。はっきり言って、私が生まれてからこのかた食べたものを、値段の高い順に並べるとすると、上位ベスト3は、林さんにご馳走になったものでしょう。あまり詳しく書くとイヤミになるので一つだけあげますと、それは「ハモのしゃぶしゃぶ」です。
 最近、家を新築された林さん。「アンアン」でカラー写真で何ページにもわたって紹介されていたので、ご覧になったかたも多いでしょうが、中庭が眩しい、ほんとうに素敵なお宅です。そのオープニングパーティのときには、有名イタリアンのシェフがやってきて、腕をふるわれていました。シャンパンを配る蝶ネクタイの人とかもいました。すごいでしょ?
 こんなにも特別な存在なのに、でも感覚は普通さを失っていないというところが、林さんの作品の魅力ですね。書くことはズバッと鋭いですが、実際お会いすると、ほんとうに細やかに気をつかわれる人です。私など、いつもぼさーっとしているので、林さんをみならわなくては、といつも思ってしまいます。

第21回 鷺沢萠さん
第20回 丸谷才一さん
第19回 北杜夫さん
第18回 星野富弘さん
第17回 平地勲さん
第16回 南こうせつさん
第15回 岩城宏之さんへ
第14回 野田秀樹さん
第13回 鴻上尚史さん
第12回 吉永小百合さん
第11回 森啓次郎さん



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