「万智の交遊録」第24回は、ソムリエの田崎真也さんです。
京都「ささ木」にて
ソムリエ世界一の栄冠を、日本人で初めてゲットした田崎真也さん。今のワインブームの火付け役の一人でもあります。先月の末、「田崎真也のワインライフ」という雑誌の企画で、田崎さんと京都を旅してきました。ワイン好きの私にとって、文字通
りおいしい仕事です。
これまでも、田崎さんのワインの番組にゲストとして出演したり、雑誌でご一緒したりしたことはありましたが、今回の旅は、いっそうの親しさを感じる機会となりました。
つくづく思ったのは「接客のプロは、接客されるプロでもある」ということ。旅館でも
、何かを売っているお店でも、食事どころでも、はたまた祇園のお茶屋さんでも、田崎さんという人は、接客する人々に喜びを与える存在なのです。
そして、とても好奇心旺盛。特に食べるものに関しては、常に考えている人で、たとえば漬物やさんに行けば、そこにある漬物を使ったメニューを、あれこれ思案しているので
した。
昨年私が旅をしてきたボルドーのシャトーの話などでも盛り上がりました。実は以前、
田崎さんのおかげで「シャトー・ラトゥールの垂直試飲」という夢のような体験をしたことがあります。違うシャトーで作られた同じ年のワインを、比べながら飲むのが「水平試飲」で、同じシャトーで作られた違う年のワインを、比べながら飲むのが「垂直試飲」というわけです。
シャトー・ラトゥールなんて、一年に一本飲むか飲まないかの、すごいワインなのですが
、それを一晩で何本も、しかも飲み比べるのですから、大興奮。そして驚いたのが、ほんとうに年によって香りや味が違うこと。もちろん、それぞれに素晴らしくおいしいことは大前提なのですが。それでも、できのいい年のものを飲んでしまうと、それほどでもない年や、まだ飲みごろでない年のものには、戻りにくくなってしまいます。こんな贅沢な経験は、もう二度とないことでしょう。(ありがとう! 田崎さん)
写真は、祇園の割烹「ささ木」のカウンターです。近頃、評判の店で、もう打ちのめされてしまうほど、おいしい店でした。ここでも、ご主人と田崎さんの、鋭く楽しい食べ物談義がありました。その話もふくめ、京都への旅については、「田崎真也のワインライフ」3月号に詳しく書きましたので、ぜひご覧になってくださいね。
第23回 ドリアン助川さんへ
第22回 林真理子さんへ
第21回 鷺沢萠さんへ
第20回 丸谷才一さんへ
第19回 北杜夫さんへ
第18回 星野富弘さんへ
第17回 平地勲さんへ
第16回 南こうせつさんへ
第15回 岩城宏之さんへ
第14回 野田秀樹さんへ
第13回 鴻上尚史さんへ
第12回 吉永小百合さんへ
第11回 森啓次郎さんへ